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群馬県にある浮島観音での護摩に参加した後、近くの吹割の滝を訪れる。この滝のパワーは凄まじく圧倒される。 |
鳥取県にある三仏寺の奥の院にある投入堂。役行者が投げ入れて建てたという伝説があるが、どうしてできたのか未だに? |
霊峰富士山。頂上にある浅間神社の奥に、明治の廃仏毀釈で首を斬られた仏達が無造作に置かれている。合掌。 |
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長野県飯山市にある小菅山。この里山の入口には「修験の里 小菅」とある。山上には修験の行場とブナの原生林が迎えてくれる。 |
八ヶ岳の美濃戸口側にある行者小屋。その前に本物の行者が!小屋の人に小屋の名前の由来を聞いたが残念ながら? |
埼玉県にある両神山の頂上。まさしく信仰の山らしい雰囲気と風格をもった山だ。民宿両神山荘の御主人とも話が弾んだ。 |
昔、山伏が修行していた山は、関西の葛城山や大峰山だけではありません。日本中ほとんどの山が修験道場であり、いたるところで山伏が活躍していたのです。修験道場となった主な山域は、出羽三山(羽黒山、月山、湯殿山)、日光、立山、富士山、木曽御岳、戸隠、秋葉山、熊野、吉野山、比叡山、伯耆大山、石鎚山、英彦山、求菩提山などです。しかし、これら名のある霊峰ではなく、小さな里山の中にも素晴らしい修験の道場があります。それでは私が修行した霊場から、そのいくつかを上の写真に従ってご紹介したいと思います。
まず、群馬県沼田市にある吹割の滝についてです。山伏が山ではなく滝にいることを疑問に思う方がいるかもしれません。しかし、修験道は自然信仰がベースにあり、滝も山と同様信仰の対象としています。熊野の那智の滝もそうですし、日光の華厳の滝もそうです。この吹割の滝は、高度はそれほどないですが、V字型に切れ込んだ渓谷が延々と続き、その水のパワーに圧倒されます。近くに浮島観音堂があり、例年4月と10月に例祭があり護摩も焚かれます。参加する山伏は多くありませんが北関東では数少ない本格的な採橙護摩ですので一度是非ご覧頂いたらと思います。
次に、鳥取県にある三仏寺の奥の院、投入堂です。最近テレビでも紹介されて御存じの方も多いと思います。岩壁にへばりつくように建っているこの姿はまさに奇跡的です。我が開祖役行者が法力によって岩壁に投げ入れたという伝説がありますが、それが非常に納得できるような感じです。むしろ、こういう伝説を素直に受け入れるところに修験信仰の強さがあるのです。私達は2005年10月下旬に訪れました。三仏寺から奥の院まではわずか700メートルくらいですが急な岩場が多く危険な個所も多くあります。投入堂の中に入りたかったのですが、残念ながらこの写真を撮った場所までしか行けず、こちらでお勤めを致しました。法螺の音が谷間にこだまし、実に感動的な一時でした。
霊峰富士山にも、2008年7月1日、静岡県富士宮市の村山浅間神社で山開きの護摩を焚いた後、登拝しました。多くの写真がありますが、あえてこの一枚を公開します。廃仏毀釈という文化破壊、そして梅原猛氏の言われる「神殺しの日本」の生々しい現場です。深い悲しみと懺悔の心、そして修験の復興を通して日本精神の復活を誓いながら、精一杯供養しました。
長野県飯山市にある小菅山。ここは地味ですが戸隠、飯縄とならぶ信州三大修験道場の一つで、大変素晴らしい行場が多くあります。なによりふもとの村の入口にある「修験の里 小菅」という灯篭が印象的です。中腹には上杉謙信が建立したと言われる小菅神社奥社が重厚な姿で鎮座し、その周辺にいくつもの行場が散在しています。しかし、この山のなにより魅力は山頂周辺のブナの原生林で、その空気の瑞々しさは応えられません。修業後訪れた野沢温泉での一浴びも疲れを癒すに十分でした。
長野県にある八ヶ岳といえば、修験の山という印象はないと思います。しかし、この山域には阿弥陀ヶ岳や権現岳、地蔵岳などのように信仰の山にふさわしい名の山が多いのです。しかも美濃戸口には行者小屋という小屋まであります。ここは絶対修験の山だろうということで、2010年10月中旬に登拝しました。残念ながら修験の痕跡をほとんど残っておらず、行者小屋の方も小屋の由来は御存じありませんでした。しかし、修験者としてはやはりこの山域に、神仏に感応できる独特の霊気を感じることが出来ました。一般登山者が多いので、あまり迷惑をかけないようにしながら、また修行に出かけたいと思います。
最後に埼玉県秩父にある両神山です。この山も2010年の11月に登拝しました。ここは、八ヶ岳とは対照的に修験の雰囲気が濃厚に残っております。前泊した両神山荘のご主人の話ですと、戦後もつい最近まで、東京の霊能師さんが講をつくり毎月のように信者を連れて登っていたそうです。それも相当霊力のある方で有力な信者さんが多く、山域の多くの場所に石像や石仏等を奉納されたそうです。私もその多くを確認しましたが、大変立派なものでした。ご主人はその方を「拝み屋さん」と呼んでいたのが印象的でした。確かに両神山にはこういう話がふさわしい何かが感じられます。
2011年は、葛城山、大峰南奥駆、戸隠の高妻山、飯縄山、駒ヶ岳で修業を計画しています。
ご縁を感じて一度是非一緒に修行がしたいという方は、遠慮なくお申し出下さい。
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