大森青べかカヌークラブ
東京湾に希望をくれた
コククジラ



平成17年5月8日千葉県袖ヶ浦(東京ガスの前)にて
子どものコククジラとはいえ巨体でした。




5月8日 午前10時50分から11時40分まで観察

狭い区域で一生懸命に潜っては息を吸いに上がることを繰り返していました。
近寄る船にも嫌がらず、ただただ命への懸命さを感じました。

前日(5月7日)は幕張方面にも出かけて、また同じ袖ヶ浦に戻ってきたのは、
 食べ物があったのではないか?と思います。
翌日(5月9日)は横須賀や横浜で発見されました。
その翌朝(5月10日)、太平洋に帰る途中の定置網にて死体が発見されました。
定置網は水面下に海底に固定された魚網です。入ってしまうと浮上できなくなり
窒息死しました。このような定置網は日本全国津々浦々にあります。
このコククジラの死が定置網の問題点を解決するきっかけになることを望みます。

(追  伸)
河北新報の717日からの抜粋記事
 「絶 滅の恐れがあるコククジラの親子が 7月15日早朝に宮城県女川町の江島付近で定置網
にかかっているのが見つかった。 いずれも雌で、母親は体長が12.7メートル、
体重は16トン、子どもは体長7.7メートル、体重6.2トンだった。
子どもは今年2、3月ごろに生まれたばかりで、まだ授乳期。親子はオホーツク海
へ北上する途中だったとみられる。遠洋水産研究所によると、日本沿岸では1955年以降、
15頭のコククジラが確認されている。いずれも体長79メートルの子どもで、
今年5月に東京湾で見つかったのも子どもだった。
 東京湾に続き三陸沖にも現れたことについては、今年の回遊ルートが海水温の
影響などから沿岸に寄りすぎている可能性があるという。
 研究所の加藤秀弘鯨類生態研究室長は「母親から乳を採取できたのも初めてで、
母親の胃からは海底の泥に生息するゴカイなどが確認された。 コククジラに
ついてはほとんど研究されていないので、生態を含めすべてを調査したい」と話している。」

ゴカイを食べていることが確認されたことは、袖ヶ浦で採食していた可能性が高い。
しかし、これほど頻繁に定置網にかかるのであれば、
国は本腰を入れて対策すべきです。


日本で定置網に捕まって(混獲)、肉として売られた「ヒゲクジラ等」のみの頭数は
平成15年は130頭でした(水 産庁資源管理部遠洋課捕鯨班の資料)。

リンク:全国から集められた(財)日本鯨類研究所の詳 しい資料
水産庁資源管理部遠洋課捕鯨班